高校二年の時の修学旅行で、奈良と京都に行った。 奈良と京都といえば寺院仏閣が多い所だが、 今で言う歴男や歴女でもない限り、学生が 娯楽の対象にする所ではないだろう。 友達や彼氏と一緒に泊りがけの旅行に行くから面白く なるのである。今考えてみると、日本古来の文化が 息づく地域に行ける機会は滅多にないし、昔の人の 建造物をじっくり見られるのだから有難いことだと 思わなければいけないのだが、そこまでの考えは 私には無かった。 現に私などは、銀色に光る宇宙人の マスクを持って行ったほどである。もしも途中で 退屈になったら、これでクラスのみんなを驚かそうと 目論んでいたら、行きの新幹線の中でばれてしまったのだが。 奈良と京都に行くのは二回目だったと思う。 一回目の時もそれほどの感動はなく、他の友達と 行ける旅行が嬉しくて行っただけだった。 一回目と二回目の違いは、同級生の間で公認のカップルが 並んで歩く光景が増えていた事だろう。 私などはその点は小学生並だったので、他のクラスにいる 片思いの相手の姿を見るだけで、その日のご飯が美味しく 感じられたものだ。その旅行中も少し離れた所に姿が 見えると、仏像の作者には悪いがそれ以上に後光が差して見えた。 夜は女子生徒と男子生徒で部屋が分かれていたが、 その分「あるある話」や「恋バナ」を消灯時間が過ぎても 続ける事が出来て、とても楽しかった。ある友達などは 私が一生懸命話に相槌を打っていたら、(他の友達が 寝ていたので)「あれ、まだ起きてたの?」と驚いていたが、 それも私には良い思い出だ。 良い思い出を作ってくれた先生や友達に感謝したい。
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